小説の人物へ手紙を書く~読解力・文章作成力を磨く~


 今回は、キャリア教養学科の科目「アカデミックスキルズ」第7回目の授業をご紹介します。
 
 2019年度第6回目の授業(詳細は、こちらをご覧ください)で取り上げた『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著、新潮社)の、主な登場人物は“コペル君”と“おじさん”です。
 
 そこで今回の授業では,『君たちはどう生きるか』の一部を読み解き、学生一人ひとりが【コペル君のお姉さん】になったつもりで、“コペル君”と“おじさん”に手紙文を書くという課題に取り組みました。
 
 これを読んでくださっている皆さんへ!!手紙を書いた経験を思い出してみましょう。
 ・いつ頃手紙を書きましたか?
 ・どんなシーンで書きましたか?
 ・誰に書きましたか?
 ・どんな内容だったのでしょうか?
 
 LINEやメールを使って手軽に文章をやり取りできる現在です。LINEにはスタンプ機能もあり、絵やアニメーションで気持ちを伝えることも可能ですね。
 
 しかし、手紙文は手紙を受け取った相手(=読み手)の気持ちを推し量りながら書くことが求められます。自分勝手に思いを書いた手紙では、相手に気持ちを伝えることができません。相手に軸足を置き、文章を考え記述する必要があります。

★今回の授業担当は,キャリア教養学科 講師の築田 美抄(つきだ みさ)先生です。

 
 ですから、考えたことを、相手を推し量り記述する手紙文の作成は,文章作成能力を挙げる効果的な手法の一つに位置付けられています。今回の授業では、手紙を受け取る相手は小説の中の“コペル君”または“おじさん”です。小説の中の自分が物語った出来事を「読み解き」、相手を想像しながら、手紙文を書きました。
 
〇授業終了後に書かれたある学生の振り返りの文章を読んでみましょう。
 物語の登場人物に手紙を書くことによって、過去の経験と関連付けてこの物語を読んでいる自分に気づくことができた。また,書いた手紙を読み返しながら、自分の心の中に感じていたことをはっきりと理解することができた。今回の経験を通じ、様々な小説を読み,文章を感じ取ることが、自分の心を理解することにつながり、気づきが深まる。多くの小説を読む意味を理解した。
 
 いかがですか。読んで(外から内へ)、感じたこと・考えたことを(内なる自分)、書く(内から外へ)ことは、自己成長につながることがわかります。
 
 今回の授業で描いた学生一人ひとりの手紙文は、一冊の文集として12月に学生全員に配布される予定です。
 
 キャリア教養学科では、入学前から卒業までの2年間の中で、継続して日本語能力を高める授業がちりばめられています。高校生の皆さん!ぜひオープンキャンパスでキャリア教養学科の息吹に触れてみませんか?次回のオープンキャンパスは,2019年12月15日です。
 
 
【保護者の皆様へ】

キャリア教養学科では,考える力を【聴く】、【話す】、【読む】、【書く】という4つのスキルとして、この図(※)のように捉えています。今回のこのニュースでは、【読む】、【書く】をご紹介しましたが、2年間の授業科目や課外活動等には、考える力を育むための具体的エッセンスがちりばめられています。考える力=思考力は、卒業後の社会人に必要な力の一つとして、非常に重要です。私達キャリア教養学科教員全員は、常に考える力を育む授業設計と実践を行っています。
 
※加藤竜哉,「桜の聖母短期大学の事例 入学前から卒業年度までの日本語学習体制の構築」,『大学初年次における日本語教育の実践』,ナカニシヤ出版,2018,PP.37-44