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学習成果に係るChatGPT等の生成AIの使用と対応方針につきまして(初報)


令和5年7月7日 作成

学生各位

桜の聖母短期大学 学務部

 
このことについて,標記時点の本学としての対応方針を,下記のとおり通知いたします。
 

概要

 高度化の進むChatGPT等の生成AIが成績評価の根拠となる課題等の作成に活用されることで,適正かつ公平な成績評価が困難になるため,現段階では各学習成果の作成過程における生成AIの使用を原則として禁じます。
 今後,生成AIと教育の関係に関する議論の成熟に伴い,この方針は見直される可能性があります。
 
 

1.背景

 本学の学習成果は,大項目として「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」の3つが設けられ,各学科・専攻の学習成果はいずれもその下に定められています。生成AIは,この3つの大項目のうち,「知識」「思考力」「判断力」「表現力」を補い,ある程度高い品位の成果物を作成する機能があるといえます。そのため,この機能を日々の学習を深めたり,学習を補うために活かしたりすることは,これから迎える時代を自らの能力で生活する上で意義があることと考えます。
 他方で,生成AIそのものが目まぐるしい勢いで発展を重ねている段階にあり,まだ不安定な技術でもあります。その生成AIの可能性は計り知れず,学生本人の学習成果の関係に関する議論は,本学の学内外においてまだ成熟の道半ばにあります。また,生成AIを十分に活用できるだけの情報機器を持つ学生と持たない学生の間の経済的格差についても,看過しがたい課題です。
 このように生成AIを取り巻く不確実性,不平等性が確認される中で,適正かつ公正に学習成果を評価するためには,生成AIと学習成果の関係についての丁寧な議論が必要です。現段階では,生成AIによる成果と学生本人の学びによる成果を分離,識別することは困難であり,また不平等性を解決するための支援策等の対応も定まっておりません。そのため,ここに次項のとおり対応方針を定めます。
 
 

2.成績評価の対象における使用について

 原則として,「試験についての心得」を前提に,授業計画(シラバス)の「評価方法」の項目における明記をもって確認できる場合を除き,本学での修学においては成績評価に関係する場面での使用を禁止します。
 具体的には,①リアクションペーパー・リフレクションペーパー,②レポート,③小論文,④試験問題,⑤卒業論文において,生成AIが作成した文章を用いる行為は,学生本人が自らの能力により論考し作成した文章ではない以上,それを当該授業科目の純粋な学生の学習成果とは認められないため,使用を禁じます。
 なお,先述の①~⑤の作成過程で不適切に生成AIが使用されたと疑われる場合は,成績評価を保留し調査を行います。その結果,不正行為が認められた場合は,「試験についての心得」に準拠し履修要項第5章のとおり当該科目の評価を不合格とし,学則の規定に基づき処分の対象とします。
 
 

3.日頃の学習における活用について

 本方針は学生の日頃の学習を補助する目的において,生成AIを活用することを否定するものではありません。ただし,発展途上の技術であること,またデータの入力に誤りがあると出力に誤りが生じるものであることなどを念頭に,出力・生成された情報を過信せず,自らの「知識」「思考力」「判断力」をもって真贋の判断をすることを心掛けてください。また,データの入力にあたり個人情報などの秘匿性の高い情報,悪用された場合のリスクが高い情報は,予期せぬ形で生成AIの出力に用いられ,第三者へ流出する危険性が極めて高いため,特に注意してください。
 
 

4.例外的に成績評価に係る学習成果で使用を認める事例について

 たとえば,現代の情報技術の発展の事例を具体的に明示する場合など,資料としての明示の合理性がある場合は生成AIの使用を認める場合があります。また,この事例に限らず,教員の裁量の範囲において生成AIの使用を認める場合があります。これらの認められる場合においては,生成方法(入力した条件,使用した生成AIの名称,バージョン等)と,その出力結果の精査を学生本人が行ったことを明記することを条件とします。詳細は教員の指示に従うようにしてください。
 
 

5.この方針の適用範囲について

 本方針は本学の授業科目を履修し,令和5年度前期以降の成績評価の対象となるすべての学生に適用されます。また,学則第45条および第47条に定めのある科目等履修生,聴講生,特別聴講学生として本学における授業科目を履修する場合においても,成績評価の公平性を担保するために適用するものとします。
 なお,本学学生が他大学等の授業科目を単位互換制度により履修する場合は,当該大学等の同様の方針,ガイドラインや授業担当者の指示に従うものとします。
 
 

6.今後の対応について

 生成AIの機能・性能は刻々と発展を重ねており,また私たちの日常生活との関係も刻々と変化をしています。今後も継続的に国内外の高等教育機関の動向を注視し,成績評価に限らず,教育研究活動における適切な生成AIの活用に向けた検討を重ねていきます。
 

以 上

 

参考情報

初等中等教育に関しては,文部科学省が生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインを公表しています。
 

《本件担当》
桜の聖母短期大学 学務部
E-mail:gakumu@ssjc.ac.jp
電話:024(534)7137

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