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<こども保育コース 2年生> 桜の聖母学院小学校 授業参観~「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」と「小学校教育との接続」の観点より~


 5つの実習を終え、いよいよ4月より保育者として子どもを保育(養護・教育)する立場となる2年生に対し、これまで2年間で授業や実習等で学んだ「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」について、「小学校教育との接続」に視点を当て、
①幼児期の保育の在り方やその方法について学ぶこと。
②子どもの発達過程と発達に応じた教育方法を理解すること。
を目的に、桜の聖母学院小学校1年生から6年生の授業を参観させていただきました。
また、参観後は、校長先生、教頭先生、1年生の担任の先生方に対し、質疑応答をさせていただき、小学校教育において必要なこと、大切なこと、留意していること等を、丁寧に説明していただきました。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」

 1.健康な心と体
 2.自立心
 3.協同性
 4.道徳性・規範意識の芽生え
 5.社会生活との関わり
 6.思考力の芽生え
 7.自然との関わり・生命尊重
 8.数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
 9.言葉による伝え合い
10.豊かな感性と表現

 
<授業参観>



 
<質疑応答>


 
<振り返りから>

 桜の聖母学院小学校の一年生の授業では、初めから授業に入るのではなく、授業の内容に繋がる余談を取り入れてから始めていたり、全員が授業に関心を持ち、積極的に参加できるよう、できている児童をピックアップして褒め、他の児童も自ら気付いて行動に促せるよう工夫されていた。幼稚園や小学校の教師が、それぞれ指導方法を工夫し、幼稚園教育と小学校教育との円滑な接続が図られることが大切であると考える。しかし、指導方法の工夫や円滑な接続を、時間をかけて行えないこと、幼稚園側と小学校側がじっくり対話する時間がないこと、教育委員会やPTA総会等でもあまり取り上げられないことから、大切であっても中々取り組めないことが課題となっている。時間がない中で、円滑にかつ丁寧に幼児教育と小学校教育の接続を行うかが求められるのではないかと考える。幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を手掛かりに、幼稚園と小学校の教師が共に幼児の成長を共有すること、幼児期から児童期への発達の流れを理解すること、子どもの発達を長期的な視点で捉え、互いの教育内容や指導方法の違いや共通点について理解を深めることが、子どもの発達と学びの連続性を確保することに繋がると考える。

 

 小学校教育との接続において、子どもの発達と学びの連続性を確保するためには、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を手掛かりに、保育者と小学校の教師が共に子どもの発達状況等を共有することを通して、幼児期から児童期への発達の流れを理解することが大切である。すなわち、子どもの発達を長期的な視点で捉え、お互いの教育内容や指導方法の違いや共通点について理解を深めることが大切である。そのためには、幼稚園や保育所等で行ってきた支援を記述する「保育記録」の活用や、特別な支援を要する子どもであれば、「個別の支援シート」「個別の保育計画」等を利用した幼児期の支援内容の共有を行ったり、保育者と小学校の教師の意見交換や合同の研究会や研修会、保育参観や授業参観などを通じて連携を図ったりすることが必要であると考える。その際、子どもに見られる「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を生かし、保育者から小学校の教師に子どもの成長や教師の働きかけの意図を伝えることが、円滑な接続を図る上で大切であると私は考えた。

 

 私が考える「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」及び「小学校教育との接続」踏まえた保育(教育)方法の在り方は、保育者として、子どもの自己肯定感を育む中で、子どもが自ら考え、自信を持って行動できるような関わりをすることである。
 私は、小学校参観での小学生の姿や小学校での学習や生活の様子を通して、小学校教育では、時間割に基づき、次の活動を考えて、見通しをもって行動しなければならないことや休み時間には、次の授業の準備や排泄等を自分で考えて行動すること、そして、時間を守り、校則やクラスのルールを守らなければならないことが中心となっていることを理解した。一方、幼稚園では、遊びを中心とし、一人一人に応じた総合的な指導を行なっていることを、これまでの学習を通して理解した。

 

 小学校との連携については、年長児担任と1年生担任が協力し、スムーズな小学校連携を行っていく必要があると考えた。実際に1年生担任が幼稚園を訪問し、子どもの様子を見て、雰囲気を感じることや、支援が必要な子どもに対しては、変化があると子ども自身も戸惑いを感じてしまうので、子どもが不安に感じないようなクラス運営を行うことが大事だと感じた。小学校訪問を経て、実際に1年生クラスを見学することで、子ども同士のかかわりを大切にしているような授業と感じた。小学校の高学年になるにつれて、教師が教え、子どもは問題を解くような一方的な授業になると思っていたが、子ども同士の対話を大切にしたり、子どもがわからないことがあった場合、わかる子どもが物事を説明している印象があった。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」にもある「言葉による伝え合い」が関係しているのではないかと思った。子ども自身が「言葉による伝え合い」を楽しんでおり、言葉の使い方や表現の仕方を変えるなど、経験したことや相手に説明したいことを、相手側がわかるように工夫しながら言葉で伝えたり、相手の話を聞いて理解していると感じた。教師一人一人が小学校卒業までに育ってほしい姿を自分の中で持っており、6年生になって急いで達成できるようにかかわるのではなく、1年生からゆっくりと時間をかけて目標に達成できるようにかかわることで、子どもたちも楽しみながら成長することができると感じた。実際に桜の聖母小学校1年生担任の目標である「まわりに感謝できる子」や「努力し続けることができる子」は、小学校卒業に止まらず、卒業後、卒業した子どもが社会人になっても大事なことだと思うので、幼小連携して、子どもの人格形成の基礎を支えていくことが大事になってくると感じた。

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