【キャリア教養学科】伝えることの重要性:
NHKとのコラボ「語り部から学ぶ」
今回のアカデミックスキルズの授業では、「いわき語り部の会」の小野陽洋さんからお話をお聞きし、「伝えることの重要性」について学びました。
小野さんは、2020年11月、福島県いわき市「いわき震災伝承みらい館」の語り部になりました。地元にできた伝承施設で役に立ちたちという思いと、自分が語り部になることで若い語り部が増えるようになればと考えたのがきっかけです。
震災当日、小野さんは海に近い自宅で祖母とともに被災しました。「大津波警報が出て逃げようとしたが、おばあちゃんは『逃げない。』と言い、大したことはないという感じだった。祖母は腰が悪いので、避難させるのは難しいとも考え、避難せず家に留まってしまった。」と話していました。
しかし、待っていたのは想像を絶する状況です。津波に直撃される瞬間まで撮影し続けた46秒の動画は息をのむ生々しさでした。
「2階リビングの窓際で撮影中、津波がベランダの手すりを越えてきた。海水に首まで漬かった状態で奥の台所まで10メートルくらい流された。それから、沈んだおばあちゃんを支えて顔を水から出した。引き波の力はすごく、台所のシンクにつかまって、耐え続けた。」


自宅があった平豊間地区では、避難せずに亡くなった方や、避難しても津波に襲われて亡くなった方が少なくなかったそうです。小野さんは津波に飲まれる中、奇跡的に助かったのです。
小野さんは、この時の行動を「失敗談」として伝えています。
「自分は避難しなかったのに、自宅にいてたまたま生き残った。誰かに何か言われたことはないが、自分に負い目を感じている。だから、災害の時はきちんと逃げて助からなければいけないことを伝えたい。」 言葉の1つ1つから、強い思いがひしひしと伝わってきました。
この貴重なお話を通じて、私たちは「伝えること」の意味と責任を改めて考える機会を得ました。心を込めて伝え、聞き手を思いやる言葉を選ぶ小野さんの姿勢は、これからの学業だけでなく、今後の人生にも大いに役立つことでしょう。災害の教訓も忘れずに、日々を大切に過ごしていきたいですね。
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