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【キャリア教養学科・特別研究】
元井ゼミ「人権と平和展」に参加
― ボッチャ体験から包括的性教育まで、多様な学びの一日 ―


2025年7月、桜の聖母短期大学キャリア教養学科・元井ゼミの学生たちは、福島市が主催する「人権と平和展」に参加しました。本イベントは、核兵器廃絶や人権の尊重といった理念の普及を目指して毎年開催されており、平和都市を掲げる福島市の重要な取組の一つです。学生たちは一日を通して展示見学や体験活動、講演の聴講などを行い、多角的な視点から人権と平和についての学びを深めました。

ボッチャ体験コーナーでの来場者対応
元井ゼミの学生たちは、体験型イベントとして設置された「ボッチャ体験コーナー」の運営補助を担当しました。ボッチャは、パラリンピックの正式種目でもあるスポーツで、障がいの有無や年齢に関わらず誰でも楽しめる競技です。学生の多くが初めての経験でしたが、事前にルールを学び、当日は子どもから高齢の来場者まで幅広い世代に向けて説明やサポートを行いました。障がい理解や多様性の尊重を実践的に学ぶ場として、福祉とスポーツの接点を体感する貴重な機会となりました。

万華鏡づくりを通じた世代間交流
学生たちは、「万華鏡づくり体験」にも参加し、来場者と一緒に手を動かしながら交流を深めました。この体験では、親子連れや高齢の来場者と笑顔を交わしながら作品を完成させ、世代の枠を超えた心温まるひとときが生まれました。ものづくりを通して自然と会話が生まれ、人とのつながりの中で人権や共生について考える大切さを実感することができました。

「デートDV」研修会と小林さやか氏による包括的性教育の講演
当日は、「デートDV」に関する研修会も実施されました。交際中のパートナーとの関係に潜む暴力や支配行動を取り上げ、学生にとっても他人事ではない身近な問題として理解を深める内容でした。講義では、「暴力とはなにか」「どこからがDVなのか」といった線引きの難しさや、加害・被害の構造を丁寧に解説。学生からは「これまで見過ごしていたような行動にも問題があることに気づいた」「自分自身や周囲の人を守る知識として必要だと感じた」といった声が聞かれました。
また、NPO法人はーぐる代表理事の小林さやか氏による講演「すべての人に届く包括的性教育」も行われました。性教育というと、思春期の子どもや女性に向けたものという印象を持ちがちですが、小林氏は「性教育とはすべての人に関わる“生き方”の学びである」と語ります。講演では、性の多様性、身体の権利、ジェンダー、自己尊重と他者尊重の関係性といったテーマが取り上げられ、相談現場で出会った“生の声”を交えて語られました。学生にとっては、これまで学ぶ機会の少なかった領域に深く踏み込む内容となり、「“自分らしく生きる”ためのヒントを得た」といった感想が多く寄せられました。

展示や企画から学ぶ、戦争と核の記憶
会場内では、平和や核兵器に関する多彩な展示も行われていました。たとえば、広島・長崎の原爆投下を疑似体験できるVR映像や、福島市に投下された模擬原爆の破片展示、「青い目の人形」展などがあり、視覚・体感を通して歴史を学ぶ仕組みが数多く用意されていました。被爆証言や平和首長会議の資料も展示され、戦後80年を迎える現代において、改めて「戦争を知ること」「平和を継承すること」の意義を考える契機となりました。

本学キャリア教養学科では、こうした地域社会との連携を通じた実践的な学びを重視しています。「人権と平和展」への参加は、学生たちにとって教室を飛び出して社会のリアルに触れる貴重な機会となりました。人とつながる力、多様性へのまなざし、そして平和の大切さを自分の言葉で語れるよう、今後も地域に開かれた教育活動を続けてまいります。

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